監査論のイメージと論文のネタに- 「監査提言集」

論文式試験で実務寄りの問題が出ると、実務経験がない受験生はその場でいろいろ想像を巡らせて問題点とか留意点とか考えなければいけません。終了考査にしても、自分の経験のない分野が事例問題として出ると「こんなの知らねーよ!」とか思いながら必死で考えないといけません。
そんな時に事前に読んでおくと役立つネタ本がコレ!
「監査提言集」の公表について | 日本公認会計士協会

ただし、こちらは一般用で詳細が記載されていません。そのうち会計監査ジャーナルで詳細な冊子が添付されるかと思うので、そちらを読めばより詳細に理解できるかと思います。

監査論のまとめに-「監査基準委員会研究報告『監査ツール』」(公開草案)

だいたいの勉強法はひと通り書いたので、これからは試験勉強に役立つ情報を随時お伝えしていこうと思います。


JICPAから「監査基準委員会研究報告『監査ツール』」(公開草案)が公表されました。「監査基準委員会研究報告『監査ツール』」(公開草案)の公表について(お知らせ) | 日本公認会計士協会これは公開草案であり研究報告なので短答式/論文式、修了考査ともに試験範囲には入らないと思いますが、監査論の全体像をつかむには有用かと思いますのでご紹介します。

いつまでに何をやるか?

僕は7×6戦略、つまり問題のうち7割に回答して6割の正解を稼ぐことにより素点42点を目指す作戦をとっていました。基礎的なところをそれなりに高い確率で正解できれば十分という考え方です。


そのレベルに到達するためにはテキストや答練をどの程度勉強すればよいでしょうか。専門学校の答練にしても何回か解き直すことになるかと思いますが些細な論点を突き詰めて満点を取る必要はありません。最終的に八割も取れれば十分でしょう。僕の場合、計算科目(会計、税務、経営分析)は答練は修了考査本番までに3周して最終的に八割以上取れるようにしました。過去問も配布されると思いますが、丁寧に解くことはしないで問題の傾向を見るためだけに利用しました。時間があればきちんと時間を測って解けばよかったと思っていますが、答練を優先させていると時間が足りませんでした。


では、答練を3周解いて最終的に八割以上取れるようにするためにはどのようなスケジュールを立てればよいでしょうか。この目標を達成するには、当然ですが、すべての答練を3周しなければなりません。TACの場合、職業倫理を除く各科目3回分の答練がありました。修了考査本番は2日間(1日6時間)で実施されるため、2日間×3回分の6日間あれば全科目の答練3回分を1周できることになります。つまり一週間で答練を1周するののを3週します。なお、理論科目は1周目しっかり解いた後、二週目以降は高速で回転させるので、もっと短いスパンで回転できるかと思います。

一週目…会計と税務を計算メインでテキストを進めていく。
二週目…各科目のテキストをすすめる。二週目が終わった時点で全科目テキストを一周すればOK
三週目…答練1周目、答練・テキストの復習
四週目…答練2周目、答練・テキストの復習
五週目…答練3周目、答練・テキストの復習

一日の勉強時間は、午前9時から午後9時までの12時間確保して、お昼ご飯とか休憩時間を差し引くと正味9時間くらいの勉強時間でした。それを試験休み開始から試験日まで休日なしでこなします。クリスマスや年末年始は少し寂しくなりますが「今年だけ!」と思って頑張りました。


大雑把でいいので、試験日までのスケジュールを紙に書き出して机の上においておきましょう。毎日チラッとでもこれをみることで全体の進捗を確認し、スピードを上げたり、スケジュールを組み替えたりします。

どの科目をどのくらい勉強するか?

試験休みに入ってからのスケジュール。ここに全てがかかっています。ぼけっとしているとスグに試験当日になっちゃいます。さすがに何もしないで受かるほど甘い試験ではありません。どの科目をどのくらい勉強するか考えましょう。


僕は実際の試験時間の割合に合わせて勉強時間を割り振りました。

会計実務…3時間(25%)
監査実務…3時間(25%)
税務実務…3時間(25%)
経営実務…2時間(17%)
職業倫理…1時間(8%)

修了考査が終わったあと振り返っても、これでだいたい間違ってなかったと考えています。ただし、職業倫理はもう少し割合を下げても良かったかなって反省しています。もしかすると、他の人はもっと計算科目に時間を割り当てる人もいるかもしれません。


これを更に一日のTODOレベルまで細分化していきます。たとえば、長時間集中したい時は4日単位で1日目に会計・2日目に監査・3日目に税務・4日目に経営と職業倫理とか、試験のスケジュールに合わせて1日目に会計と監査、二日目に税務と経営と職業倫理、とかでもOKです。

いつから勉強を始めるのが良いでしょうか?

もちろん早いに越したことはないです。今スグ始めましょう!!平日の夜も土日の昼間も勉強しましょう。そうすれば修了考査は安泰です。けれども、受かることだけを考えた場合、試験前一ヶ月くらい集中すれば充分だと思います。僕の場合は12月の1週目からお休みを貰って1月の10日あたりに試験があったので、約5週間の勉強期間でした。


ただし、試験休みに入るまで本当に何もしていなかった訳ではなく、DVD講義は全部見終わっていました。ダラダラとDVDを流しながら、2ちゃんねるやテレビを見つつ、講師が重要って言ってたところをマークする程度の事はやってました。それ以外は計算も暗記も教科書の通読もなんにもしていません。


そんなこんなで気が付けば試験まで1ヶ月、僕は焦りました。でも受かりました。つまり、1ヶ月ちょっと集中すれば十分合格できます。おそらく他の受験者もそんな感じでしょう。

次回修了考査を控えているみなさん、勉強は進んでいるでしょうか?

僕の場合、去年の今頃はまだ全然勉強していませんでした・・・(笑


志の高い人たちは思い立った時点から満点を狙って必死で勉強すべきです。
でも、僕達には時間もないし他にやりたいこともあります。


そこでこのブログの趣旨の通り効率良く合格するためのゴールの設定、つまり最低限の合格ラインを如何にして確保するか、を考えます。


何点で合格できるか?


大量合格世代だから合格率は下がるとか言われたりもしますが、不確定なことを気にしても意味がありません。
とりあえず従来通り七割は合格すると仮定しておきましょう。


受験生全体の七割に滑りこむにはどれくらいできれば良いか?


受験生全体の傾向を知るために答練の全体の結果を確認しておきましょう。どの専門学校でも答練の結果は見れるはずです。僕の世代のTACの答練だとほとんどの科目で素点四割取れれば上位70%には入るレベルでした。つまり初見の問題で四割取れれば合格できるわけです。これは高く感じるでしょうか?低く感じるでしょうか?


例えば、問題の六割に回答してその中の七割正解すればいいわけです。これだけで60%×70%=42%得点できるわけですからね。これを6×7戦略と呼びましょう。


これを皆さんの得意な勉強法や科目に合わせてカスタマイズします。問題を解く速さに自信があって広く浅くやりたい人は10×4戦略でもOKですし、基礎に絞ったり得意分野に絞ってやりたい人は4×10戦略でもOKです。


まずは自分の戦略(ゴール)を決めておきましょう。そうすることによって、実際に勉強するときも必要以上の不安に襲われずに済みます。←コレ以外と重要ですよ!

※皆さんが読んで分かりにくいところや資格勉強に限らず監査実務や業界の話など知りたいことがあれば、本文の内容に関係なくコメント欄に書いていただければ答えられる範囲で答えさせてもらいます。