暗記の内容によって、暗記の方法をかえよう。

本年度の会計士試験からは
条文や会計基準が配布されるようになったようですが
そんな試験でも、やっぱり暗記は勉強には欠かせない要素だと思います。


広い範囲で暗記ができると、
あるひとつの分野を勉強しているときに
頭の中で、ほかの分野の内容が浮かんできて
分野間のつながりが生まれ、
より深い理解につながります。


それがすべての科目でできれば、
本試験でどんな問題がでてきても
大コケすることがなくなり
結果として試験合格が近づきます。


ただし、散漫とテキストを読んでるだけではなかなか暗記は進みませんし、
なんでもかんでも書いて覚えているようでは時間がいくらあっても足りません。


そこで、今回のテーマ。


暗記の内容によって、暗記の方法をかえよう。

まずは暗記すべき内容はひとつじゃないってことを理解しておかなきゃいけません。
簡単に暗記の内容を分類してみると
1.定義系
2.列挙系
3.論理系
こんな感じでしょうか。


1.定義系の暗記。


定義系とは「譲渡所得とは・・・」みたいなものをいいます。


この場合、できるだけ
一字一句、原典のまま覚えることをお勧めします。


確かに、本番の試験の回答だと、
条文などから引用できる定義を除いて
一字一句正確に書く必要はないと思いますが
インプット時には一字一句正確に覚えておくことが有用です。


なぜなら、総合的な知識がない状態で定義を省略して覚えちゃうと
問題を解く際に
大切なところを省略して書いちゃう恐れがあるからです。


ただし、租税法なんかは定義が
(1)条文の定義(法律の観点)
(2)判例の定義(経済や会計の観点)
があったりするので
そのことを意識して暗記するようにしましょう。


一字一句正確な暗記は確かに大変ですが
一回で完璧に覚える必要はぜんぜんないので
多少ラフでも何回も繰り返すことによって
7月末あたりをメドに少しずつ完璧にしていきましょう


2.列挙系の暗記


列挙系とは「監査調書の要件とは・・・」みたいなものをいいます。


列挙系の暗記は以下のステップを踏みましょう。
個数を覚える→内容を覚える→強引に語呂合わせで覚える。


まずは、「監査調書の要件は5つある」。ここからスタートです。
それを覚えることができたら現時点の合格点です。
自分で自分をほめてあげましょう。


次に、一通り内容を大雑把に理解します。
「完全性、つまり大切なことがきちんと書いてあること」
こんな感じ。
「完全性」っていう言葉以外はそんなに正確に覚える必要はありません
雰囲気が掴めれば十分です。


続いて、具体的な暗記作業に移ります。
「カンチツメーセーケー」って何回も唱えます。ノリとリズムでゴリ押しです。


別のアプローチとして、
「監査調書を読んでる、せっかち見(め)っけ」みたいに
頭文字を適当に並べ替えて短文を作るのもアリです。


復習時に自分の理解をチェックする際には
個数を確認→具体的に列挙
の順番を常に守るようにしましょう。


ただし、
たとえば、内部統制の構成要素で一番大切なのは、
一番最初に挙げられている統制環境、といわれているように
列挙系は
原典において一番上や一番下に挙げられている項目が
特別な意味を持っていたりするので、
その点には注意が必要です。


3.論理系の暗記
論理系とは、要するに典型論点の模範解答をいいます。


これは大雑把に回答の流れを理解しておけば十分です。
というよりも、ここで細部にこだわることは悪です。費用対効果が悪すぎます。


ざっくりと問題と結論を覚えて、
結論を導くためのポイントを一言ずつ数点に絞って
さくっと理解しましょう。それで十分です。


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暗記で大切なことは
一度覚えたからといって、それっきりにしないこと。
何回も同じことを同じように
インプット&アウトプットしましょう。


最初のうちは時間がかかると思いますが
そのうちどんどんスピードが上がります。
いやな気持ちにならずに、がんばりましょう。


毎日、数時間程度でもいいので
いろんな科目を平均的に暗記していくようにしましょう。


ちなみに、暗記は機械的にできるから、
やる気のあがりにくい
朝イチの勉強として最適だと思います。